1つ前の記事で、愛知県では急激に私立高校人気が高まっていること、そのため私立推薦を利用する中学生が増えていることを紹介しました。それに関連するお話です。

私立推薦の場合は、1月末から2月初頭にかけて進路が決まります。その結果、3月の卒業を待たず、1月末で塾から卒業される生徒たちも多くいます。本音で言えば、寂しい、3月末まで勉強して欲しい、高校コースも通って欲しい、という気持ちもあります。しかし、そのような贅沢は申せません。当塾の場合は、高校合格を以って卒業される方が多いのが現状ですし、これまで長く当塾をご利用いただいて、晴れて進路が決まって退会される卒業生たちには、心からお祝いと感謝を申し上げて送り出したいと思っております。

そんな中、当教室では、なんとも有難いことに、推薦合格が決まったにも関わらず、3月末まで通塾を続けたいという生徒が2名もおります。講師としては、嬉しいことです。

その理由は、2人とも、「受験を通して最近、勉強が分かってきたけど、まだ中1中2の部分が不十分なので、このままでは高校入学後の学力に不安があるから、卒業までにやり直したい。」という前向きなものでした。感心です。あくまでこちらから提案したのではありません。ご本人・保護者様からそういった申し出があったのです。確かに、2人とも、学力はお世辞にも十分ではありませんでしたが、3年生の夏以降、受験に向けて大きく変身した2人でした。

「もっと早くやってくれたら人生変わってたのに」

と、私も思いましたし、本人たちも思ったことでしょう。
しかし、私は本人達に言いました。

「君らの若さではピンと来ないかも知れないが、“もっと早くやってくれたら”の“もっと早く”は、“今”で十分だし、“人生変わっていた”の人生は、非現実ではなく、今の君たちなら“これからの現実”に出来るんだ」と。

中でも、そのうちの1名は、英語がひどく苦手だったのですが、進路決定後、高校生活に向けて「英語のやり直し」を行った所、我々も驚く程の成長ぶりで英語が出来るようになってきております。

進路決定までは、高校合格のための内申対策や推薦入試で得点するための勉強が必要なため、中3生の試験対策をやりました。合格後は、昔からの懸案であった中1からのやり直しを中心にやりました。これは私の中でも答えが出ないのですが、最初から中1のやり直しをしていた方が、もっと英語の上達があったのか、それとも、そんなことをしていたら間に合わないので、合格までは受験対策をやってきたことが良かったのか、それは悩ましい所です。

しかし、結果的に、彼は私立推薦を上手に利用し、早めに確実に進路を決め、その後の塾の利用で学力も大きく成長しました。彼の今後の更なる成長によって、私立推薦の上手な活用例の先駆者となることを期待せずにはいられません。最後に付言すると、彼の成功要因は、単に「私立推薦」を活用したことだけではなく、「自習室」を活用したことが欠かせません。彼は、当塾の自習室利用日数を競う「登校オリンピック」の不動のチャンピオンであり、誰よりも教室にいた男でしたから。