ブログ内に「塾からの提言」というカテゴリーを設けました。このカテゴリーでは、保護者の方に向けての提言を発信して行こうと思います。まずは、お子様の学習意欲を高める為に、と題して何回かに分けて投稿していこうと思います。なお、本シリーズは、過去の当塾ニュースレターの記事より一部引用しています。

 

「なぜ勉強は必要か?」

子ども達はみんな疑問に思っています。この疑問を解決しない限り子どもは学習意欲がわきません。皆さんはどう答えますか?

「将来のため」「自分のため」という答えはお勧めしません。これらは反論の余地のない抽象的な正論であり、子どもの学習意欲を喚起するほどに響くことはないでしょう。

「クイズ番組に出るとき役立つくらいで、実際はほとんど役に立たないね。」そう答えたら、子どもはビックリして反論するでしょう。「役に立たないことをなんで学ぶの?」そこから親子の価値観のぶつかり合いが始まります。そうすることで初めて「でも、勉強は必要だよ。なぜなら…。」という説得が通用するのではないでしょうか。ちゃんと説明出来さえすれば、どんな答えでも構いません。

ですが、それだけではあまりに不親切なので、以下に当塾の価値観をご紹介しましょう。その答えの1つは「学力の向上」のためです。学力と知識は似て非なるものです。学力は読んで字のごとく「学ぶ力」です。自分にとって必要な知識、技術、技能を自ら学ぶ能力を学力と言います。国語や算数といった教科は学力を向上させるための手段、道具に過ぎません。お父さん、お母さんには、この学力と知識の違いを子どもにちゃんと教えて欲しいと思います。

2つ目の答えは「努力」を向上させるためです。努力は「努める(がんばる)力」であり、能力の一つです。多くの人は、努力は誰にでもできると誤解しています。ですから、「努力すればできる」とか「努力が足らない」とか言ってしまいます。しかし、努力は走力や腕力と同様に能力ですから、個人差があり、訓練によって伸ばす必要があるものなのです。

勉強はこの「努力」を伸ばします。勉強は「強いて勉める」と書きます。つまり、無理やり頑張ることです。好きなことを何時間でもできるのは当たり前で、堕落こそすれ、人格が向上することはありません。ゲームばかりしている我が子を見て、「あの集中力が勉強に活かされたら…」と言うお母さんがいますが、それは集中力ではありません。嫌いではあるが、自分にとって必要なので嫌々一日二時間の勉強をするところに意味があるのです。そこから、忍耐力や創造力、工夫が生まれます。

一言で言うと、勉強の目的は「生きる力」を身に付けることです。子ども達に必要なのは学力であり、努力なのです。勉強は、それらを獲得するための大切な作業です。