すべての皆さんが該当する訳ではありませんが、ここ愛知県では、一部の受験生の間で、急激に私立高校の人気が高まっており、私立高校受験は難化傾向にあります。

公立高校の定員は人口増減に合わせて調整されていますが、それでも私立人気の高まりから定員割れをする公立高校も出ており、定員割れの結果追加募集をする「公立高校2次募集」の定員は過去4年で2.5倍に増えました。もっとも、名古屋市内の人気公立校が定員割れをしている訳でも易化している訳でもありませんし、元々公立志向の方は今も公立志向、元々私立志向の方もそのままです。「どっちが良いのかなぁ」と迷われている方々で私立を選ばれる方が、愛知県では過去にないくらい増えているのが現状です。

色々な人が原因を分析しており、もちろん私学協会の言うように私立高校の経営努力の賜物という側面もあるでしょうが、もっと政治的な要因もあります。大学入試制度改革により、不透明な改革の最中にある一般入試に挑むよりは、系列推薦を利用して私立高校から私立大学へ確実に進もうと言う層が増えています。また、地方創生の政策から大学定員を厳格化する法律や政令が一昨年から昨年にかけて出されました。私大などの辞退者が少なくて定員オーバーする現象を、これまでは容認されてきたのが、これからは禁止になったのですね。そのため、私立大の合格者数も減りました。系列大学へ進学できる愛工大名電科学技術科など付属高校の定員も影響を受けて減りました。人気が高まった上に、さらに狭き門になっているのですね。

その結果、私立推薦を利用する受験生も増えています。
とは言え、公立志向の方は公立志向なので、影響がない方も多いでしょう。ただ、私が担当した教室ではここ2年連続で(去年は他社の教室でしたが)、担当した中3生の過半数が私立推薦を利用しました。一昨年までには一度も見られなかった傾向なので大きな変化を感じています。私立推薦にはメリット・デメリットがありますが、よく考えて上手に利用して頂けたらと思います。そんな私立推薦を上手に利用した受験生たちの話を次回は書こうと思います。

(後編)へ続く。